「……十二月はドサクサで、ね」
――クリスマスにはケンタッキーのチキンを食べるのがセオリーだよな。
――いやいや、ケーキだって欠かせないだろっ。
――忘年会は豪華に鍋でもするか?
――いいねぇっ。すき焼きとか食べたい。やっぱ肉がいいよ、肉が。
――ファミレスのパーティープレートとか宅配してもらうのもいいな――
「……楽しそうでいいね。はは、ちょっと来月が楽しみだよ」
俺と同じくムツとミキの計画に耳を傾けていたらしいメグは、読みかけだった薄手の文庫本を開きながら俺にだけ聞こえるようにそう言った。俺は肩をすくめて答える。
「俺は酒が入らないかどうかだけが心配だよ。……後はまぁ、それと、」
十二月にドサクサであれやこれやと大騒ぎを繰り広げる前に、できればもう一度だけ――こんな寒い日に、部室でおでんを食べたいもんだね。
それもできれば一人でじゃなく、ミキとメグ、それからムツと共に。
……なんて。
恥ずかしくて、到底、言えないけれど。
先述の「日本全国酒飲み音頭」によると、十一月は「何でもないけど酒が飲める」らしい。
それと同じで何でもなくたって、俺達はこうやって馬鹿騒ぎすることができる。
例えばおでんだとか――そんなちょっとしたことで。
いかがだろう、「日本全国酒飲み音頭」も、十一月はおでんで酒が飲めることにするってのはさ。
[ウィンターカミングスーン 了]
[読了感謝]
作中歌詞引用:「日本全国酒飲み音頭」
(シングル「日本全国酒飲み音頭」、1979年12月1日)
作詞:岡本圭司、作曲:ベートーベン鈴木
演奏・バラクーダ(ボーイズバラエティー協会・ドリームレコード)
参考URL:セブン-イレブン
三代目の拍手お礼で公開していた小説&イラストです。
2011年12月1日〜2012年4月日までお礼画像として、連続拍手で読めました。
……まぁ、読めばおわかりいただけると思いますが、
単にCチームのみんながセブンのおでんを食う話が書きたかっただけです(笑)
この小説を書くために、わざわざ取材と称しセブンでおでん買いました。
……それはただ僕@管理人がおでん食べたかっただけだろという噂もありますが←
番外編、というかボーナストラック的な小説だと思っていただければ。
みんなでわいわいやっている様子が書けて楽しかったです。
これと入れ替えた新しいお礼画像は六種類、ランダム表示のイラストです。
よろしければぽちっとお願いします♪
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